応援メッセージ

SUPPORT MESSAGE

この国にミモさんがある限り

こんにちは。大阪事業所開設へのお祝いを兼ねた応援メッセージを寄せるにあたり、これまでに発行されたミモペーパーやミモさんの歴史を振り返りとても感慨深いものがありました。

私とミモさんの出会いは、2017年、看護職のための研修に参加した時でした。自分自身が日本とオーストラリアでNICUに勤務していた経験から、「ずっと必要だと思っていたことをやってくれている人たちがいる!」と胸に熱いものがこみ上げたことを昨日のことのように思い出します。もともとは、NICUを退院したこどもたちとそのご家族のサポートがしたいというところから活動を開始されたようですが、今や、ミモさんの活動範囲は、岡山全域、活動内容も多岐にわたっています。

チャイルドコンタクト、ファミリーサポートを大切な二つのポイントとして常に中心において、医療的ケアをする人としてご家族に接するのではなく、子育てができるようにと接しておられることは、本当に貴重だと思います。その熱い思いが、種まきという形でいろんな人の心に届き、この度大阪事業所開設として結実し、花開いたことを、心から嬉しく思っています。今、こどもを取り巻く状況はどうでしょう。

今、こどもを取り巻く状況はどうでしょう。最近では、やまゆり園の入所者が殺傷された事件の被告の判決、虐待で亡くなった心愛ちゃんの事件の判決など、胸がつまるようなニュースが目立ちました。日本が「子どもの権利条約」を批准した1994年から26年たちましたが、こどもたちの、生きる、育つ、守られる、参加する権利は果たして守られているでしょうか。

コロナウィルスの感染拡大についても、こどもたちは行き場を無くし、ご家族が大変な負担を強いられています。さて、大阪という地域は、児童虐待への相談対応件数は全国でも東京に次いで多く報告されているところです。さらに、定住外国人家族の方も増加するなかで、権利が守られないこどもたちが増加する危険性をはらんでいます。このような地域においてミモ大阪事業所が果たす役割は大変重要です。ただただこどもとその家族をサポートしたいとまっすぐな気持ちで突き進むミモさんがこの国にある限り、こどもたちの未来は明るい!そう思います。

大手前大学国際看護学部 教授 西村 直子